多彩な顔ぶれが揃い、来シーズンを見据えたテストを終える
B-Max Racing Team(チーム総代表・SFLチーム代表 組田龍司)は、12月17~18日、鈴鹿サーキットで行われた、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権合同テストに、国内外の選手5名を起用して参加しました。
来シーズンを見据えた2日間のテストは、快晴のもと行われ、大きなアクシデントもなく、各ドライバーはそれぞれのプログラムでテストに取り組みました。
参加ドライバーは、来シーズンの参戦が決定しているFIA-F4チャンピオンの野村勇斗選手、今季フル参戦しシリーズ5位となったケイレン・フレデリック選手、GB3やFIA-F3選手権に参戦し、先日行われたSFのテストにも参加したジェームズ・ヘドリー選手、ユーロオープン選手権を走り、初の鈴鹿となるヤコブ・バーグマイスター選手、そして、マスタークラスの清水康弘選手が参加しました。
■テスト1日目(12月17日(火)午前9時30分〜11時/午後1時30分〜3時)
SFライツ車両やコースに対する習熟のレベルが異なるため、セッション1に関しては、各ドライバーはそれぞれのペースで周回を重ねました。50号車は、最初のセッションは小出選手が乗り込み、クルマのチェックを行うとともに、最後のアタックで野村選手の当面の目標となるタイム設定を行いました。
午後のセッション2では、フレデリック選手が開始まもなく2コーナーでコースアウト。リアをヒットしますが、大きなダメージには至らず、修復してセッション後半にはコースに戻り、最後のアタックで1分51秒台にタイムを上げました。
このセッションをSFライツ車両に慣れることに費やした野村選手は、31周を回り1分53秒台、先週のSFテストで、鈴鹿は経験済みのヘドリー選手は1分52秒台前半までタイムを削りました。バーグマイスター選手は、車両とコースに対する学習が進めながら周回を重ね、午前のセッションから2秒近くタイムアップし1分53秒台に乗せました。
ドライバー | Session1タイム(順位) | Session2タイム(順位) | |
50号車 | 小出 峻 | 1分52秒579( 6/14) | – |
50号車 | 野村勇斗 | – | 1分53秒524( 8/13) |
51号車 | K.フレデリック | 1分52秒587( 7/14) | 1分51秒834( 4/13) |
52号車 | J.ヘドリー | 1分53秒084( 9/14) | 1分52秒296( 6/13) |
53号車 | J.バーグマイスター | 1分55秒771(13/14) | 1分53秒830( 9/13) |
8号車 | 清水康弘 | 1分54秒968(11/14) | 1分54秒498(10/13) |
4号車 | 影山正美 | 1分55秒703(12/14) | – |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:10℃(am)/13℃(pm)、路面温度:11℃(am)/17℃(pm)
■テスト2日目(12月18日(水)午前9時30分〜11時/午後1時30分〜3時)
セッション3も、それぞれのプログラムを淡々とこなすことになり、野村選手はセッション折り返しをすぎたところで、2周連続アタックを敢行し、1分52秒612でまでタイムアップ。小出選手が設定した目標タイムにほぼ並び、最後のアタックではさらにタイムを削りました。
フレデリック選手は、1分51秒861と初日のタイムに届きませんでしたが、ヘドリー選手は、52秒014、バーグマイスター選手は初日からまた1秒削って1分52秒986をマークしました。
最後の午後のセッションでは、開始まもなくバーグマイスター選手がデグナーでコースオフをしてしまいますが、ダメージはなく自走でピットまで戻りました。
野村選手は、異なるセットを試しつつ周回を重ね、最後のアタックで自己ベストとなる1分51秒919までタイムを上げました。野村選手以外は、最後のアタックでは大きなタイムアップはなりませんでしたが、それぞれが来シーズンの参戦を視野に入れながらの2日間のテストを終了しました。
最後のセッションでも若手に迫った清水選手は、1分53秒122と、11月のレースで自身が記録したポールタイム(1分53秒663)を上回り、来年の開幕に向け充実したテストとなりました。
ドライバー | Session3タイム(順位) | Session4タイム(順位) | |
50号車 | 野村勇斗 | 1分52秒609( 8/12) | 1分51秒919( 6/12) |
51号車 | K.フレデリック | 1分51秒861( 4/12) | 1分51秒705( 5/12) |
52号車 | J.ヘドリー | 1分52秒014( 6/12) | 1分52秒026( 8/12) |
53号車 | J.バーグマイスター | 1分52秒986( 9/12) | 1分53秒078( 9/12) |
8号車 | 清水康弘 | 1分53秒345(10/12) | 1分53秒122(10/12) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:10℃(am)/14℃(pm)、路面温度:11℃(am)/18℃(pm)
■50号車ドライバー 野村勇斗選手コメント
F4と比べると、やはりコーナースピードの違いが大きいですね。最初はダウンフォースのあるクルマの限界がなかなか掴めなくて、動作がワンテンポ遅れてしまったりしたので、最初はそのあたりの修正から入りました。身体的にも、自信はあったのですが、アタックにいくときはステアリングがかなり重く感じたので、首は大丈夫でしたが、腕に関してはトレーニングの必要性を感じました。
セッティングの幅も大きいので、いろいろなセットを試しながら、どこを変えたらクルマがどう変化するのかというのを勉強することができました。最後のアタックでは、チームメイトのケイレン選手とタイム差もほとんどなかったですし、自分としては、セッション毎に成長を実感できたテストでした。
■51号車ドライバー ケイレン・フレデリック選手コメント
非常に生産的なテストでした。走る機会の少ない鈴鹿で、このような練習時間を得ることができて良かったと思います。今回のテストでは、私たちは、クルマに関してたくさんのトライをして、多くのことを学びました。この成果は必ず来年に繋がると思います。
来シーズンの計画は、まだ確定していませんが、またここに戻ってきたいと思っています。
■52号車ドライバー ジェームズ・ヘドリー選手コメント
スーパーフォーミュラもそうでしたが、SFライツで鈴鹿を走るのは本当に素晴らしい経験でした。ただ、時折、良いペースを見せることはできましたが、最後まで納得できるタイムをマークすることはできませんでした。セッションを追うごとに進歩していましたので、2日目は自分でも期待していましたが、最後にタイムが出せなかったのは残念でした。でも、チャンピオンを獲得したチームの一員として、テストに参加できたことは光栄に思います。
来年は、できれば日本のレースでグリッドにつき、何かを成し遂げたいと思っています。どのチャンピオンシップになるのか、どのチームなるのかはまだ分かりませんが、勝利のために戦います。
■53号車ドライバー ヤコブ・バーグマイスター選手コメント
鈴鹿でSFライツのテストができて、本当に嬉しかったし、楽しかったです。関わってくれたすべての人に感謝します。
初体験のコースで、ターボエンジンのクルマを走らせるのは、最初はかなり違和感がありました。でも、私たちは大きな一歩を踏み出しました。そして、このチャレンジは、正しい方向に向かっていると信じています。来年はSFライツへの参戦を希望していますが、そのためには、これからスポンサーと話をしなければなりません。
■8号車ドライバー 清水康弘選手コメント
今回の合同テストでは色々なセット変更を実施し、ライツ車両の動きの変化を感じ取ることに主眼を置きました。結果的にセッション毎に少しずつタイムアップを果たし、若手ドライバーとのタイム差も縮められました。
また、コースの更なる理解と、気温の低い冬の鈴鹿ならではの強いダウンフォースも感じることができたので、大変有意義なテストになりました。