2024 SFL第13,14,15戦岡山国際サーキット(9/14-15)レポート

Super Formula Lights

小出、フレデリック選手が3連続ワンツーフィニッシュ

B-Max Racing Team(チーム総代表・SFLチーム代表 組田龍司)は、9月14〜15日、岡山国際サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第13~15戦に参戦し、小出選手が2勝、フレデリック選手が1勝と、3レースすべてで優勝を飾るとともに、ワンツーフィニッシュも成し遂げました。
ドライバーズランキングでも小出選手が2位との差を29ポイントに広げ、チームランキングでも逆転でトップに立ちました。
マスタークラスは、DRAGON選手が3連勝を飾り、今田選手とのチャンピオン争いで優位に立ちました。

■第13、14戦予選(9月14日(土)午前10時10分~10時40分)
9月半ばとは思えない猛暑に見舞われた予選日。前日の練習走行からの好調を維持した小出選手は、予選開始早々、他の選手に先んじてコースに出ると、好タイムを連発して、2位のフレデリック選手に第13戦では0.680秒、第14戦も0.261秒の差をつけ、ダブルポールポジションを獲得しました。
フレデリック選手は小出選手に後れはとったものの、前大会の不調を払拭する走りを見せて、両レースとも2位。荒川選手は、セッティングが決まらず苦戦し、自身のワーストグリッドとなる7位と6位でした。

ドライバー Rd13予選タイム(順位) Rd14予選タイム(順位) Point(累計)
1号車 K.フレデリック 1分22秒351( 2) 1分22秒383( 2) 0(16)
50号車 小出 峻 1分21秒671( 1) 1分22秒122( 1) 1+1(54)
51号車 荒川 麟 1分22秒847( 7) 1分22秒769( 6) 7(35)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:32度、路面温度:38度

■第13戦決勝(9月14日(土)午後2時30分~25周)
小出選手はややホイールスピンをしてしまい、フレデリック選手に並びかけられますが、トップを守って1コーナーをクリア。その後は1分24秒台の安定した速さでフレデリック選手との差を、5周目に3秒、10周目には6秒と確実に開いていきました。
11周目に6位走行中の荒川選手がアトウッドカーブでコースオフ。これによりセーフティカーが入り、小出選手のリードはリセットされてしまいますが、リスタート後も小出選手の速さは衰えず、完璧なレース運びで25周を走りきって今季5勝目を飾りました。
フレデリック選手は、終盤3位の選手に追い上げられる場面もありましたが、スタートから2位のポジションを守り、5月の開幕大会以来の表彰台に上りました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 K.フレデリック 2位 1分24秒519( 2/13) 7(23)
50号車 小出 峻 1位 1分24秒035( 1/13) 10(64)
51号車 荒川 麟 DNF 1分24秒866( 4/13) 0(35)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:33度、路面温度:48度

■第14戦決勝(9月15日(日)午前9時00分~17周)
朝からの雨でコースはハーフウェットとなりましたが、スタート時には薄日が差し、全車スリックタイヤを履いてグリッドに並びました。
スタートは、PPスタートの小出選手が制しますが、濡れた路面でペースが上がらず、加えてアトウッドカーブの立ち上がりでアクセルが全開にならないトラブルが発生。若干失速してしまい、この間にフレデリック選手がトップに立ちました。
レースは、1周目と5周目に起きたアクシデントで、二度セーフティカーが入り、その間に路面は徐々に乾いていきました。トラブルが解消した小出選手は、路面がドライになるに連れて本来のペースを取り戻し、10周目には1.8秒あったフレデリック選手との差を、15周目には0.6秒まで縮めて背後に迫りました。
しかし、逆転するまでには至らず、フレデリック選手が逃げ切って、参戦11戦目にして嬉しい初優勝を飾りました。
荒川選手はスタートで順位を落としてしまい、7位フィニッシュでした。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 K.フレデリック 1位 1分23秒774( 3/13) 10(33)
50号車 小出 峻 2位 1分23秒725( 2/13) 7(71)
51号車 荒川 麟 7位 1分24秒607( 7/13) 0(35)
  • 天候:曇り、コース:ウェット、気温:27度、路面温度:29度

■第15戦決勝(9月15日(日)午後1時55分~18周)
予報に反して天候は崩れず、曇り空のもとドライコンディションでスタートを迎えました。今大会三度目のフロントローに並んだ小出選手とフレデリック選手は、スタートを決めると、ワンツー態勢で周回を重ねました。
この週末、完璧ともいえる仕上がりを見せる小出選手は、5周目には早くも2位フレデリック選手に対し3秒のマージンを築くと、その後もペースを緩めることなく、独走に持ち込み、今大会2勝目、今シーズン6勝目のチェッカーを受けました。
2位以下は、フレデリック選手の後方に、小林選手、野中選手、荒尾選手が1秒弱の等間隔で続くという展開になりましたが、最後まで順位が変動することはなく、B-Maxチームが、この週末三度目のワンツーフィニッシュを飾り、岡山大会を締めくくりました。
今大会の結果、小出選手はドライバーズランキングで2位野中選手に29ポイントと大きく水を開けることになりました。また、チームランキングでも僅差ながらB-Maxがトップに立ちました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 K.フレデリック 2位 1分25秒249( 5/12) 7(40)
50号車 小出 峻 1位 1分24秒658( 1/12) 10(81)
51号車 荒川 麟 8位 1分25秒414( 8/12) 0(35)
  • 天候:曇り、コース:ドライ、気温:32度、路面温度:39度

■1号車ドライバー ケイレン・フレデリック選手コメント
2位が2回、優勝が1回、しかも初優勝を飾ることができ、チームにとっても自分にとっても素晴らしい週末でした。これまでの積み重ねが、結果として表れたことは、本当に良かったと思います。ただ、まだ改善しなければいけない点もあるので、差を縮めるために努力を続けたいと思います。
次の鈴鹿は、自分にとって新しいサーキットでもあるし、世界中の多くのドライバーが「ドライバーズサーキット」と言って讃えているトラックなので、とても楽しみにしています。きっと鈴鹿でも良いパフォーマンスが発揮できると思います。

■50号車ドライバー 小出 峻選手コメント
ドライバーの力、チームの力、そして運の3つが揃わないと、レースで勝つことはできませんが、今週末はすべてが揃っていたと思います。クルマも最高に良かったですし、自分もそこにアジャストすることができ、運も味方してくれました。これまで積み上げてきた準備や想いが実を結びんだという気がします。
岡山は昨年も3連勝したコースですし、シミュレーターでも走り込んでいますので、他に比べて特段得意というわけではありませんが、相性は良いのかもしれません。
ランキングでもかなり優位に立ちましたが、あまり先のことを考えて目先のことが疎かになってもいけませんので、ここからも一つひとつのレースを、やり切ったと言えるものにして、その結果がチャンピオンという形になれば良いと思います。

■51号車ドライバー 荒川 麟選手コメント
今週末、初めてライツで岡山を走りましたが、初日からどうもフィーリングが良くなくて、さまざまなことを施しましたが、日を追うごとにそれが改善ではなく、逆に悪くなっていってしまったという感じです。その原因が何だったのかは、3レースを終えても見えてこないというのが正直なところです。
今シーズンはスポット参戦で、次の参戦は分かりませんが、このまま終わるのは悔いが残るので、ぜひリベンジをしたいと思います。

マスタークラス

■第13、14戦予選
前大会から4選手の速さが拮抗しつつあるマスタークラス。金曜日に行われた練習走行では、4選手のベストタイムが0.1秒以内に収まるという超僅差となり、これまでの今田選手対DRAGON選手という構図から四つ巴の戦いに移りつつあります。
今大会の予選では、DRAGON選手と清水選手がやや抜き出る形になり、第13戦は唯一1分24秒台に入れたDRAGON選手が、清水選手を抑えて今季初のクラスポールポジションを奪取しました。
第14戦では、藤原、今田選手も巻き返して4選手のタイムが接近しましたが、終盤に1分24秒905をマークした清水選手が、DRAGON選手を抑えて今季二度目のクラスポールを獲得しました。

ドライバー Rd13予選タイム(順位) Rd14予選タイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 1分25秒705(M3) 1分25秒230(M4) 0(74)
8号車 清水康弘 1分25秒169(M2) 1分24秒905(M1) 1(36)
13号車 藤原 誠 1分25秒716(M4) 1分25秒095(M3) 0(36)
30号車 DRAGON 1分24秒975(M1) 1分24秒925(M2) 1(73)

■第13戦決勝(25周)
11周目のセーフティカーランまでは、トップを快走するDRAGON選手が2秒のマージンを築いていましたが、リスタートで今田選手が急接近。ランキングでも競り合う両者の意地のぶつかり合いは、21周目に今田選手がDRAGON選手に接触するという形になってしまい、今田選手はグラベルでストップ。
この混乱に乗じて、藤原選手が、接触でペースの落ちたDRAGON選手に接触しながらやや強引に抜き、清水選手とのバトルも制してトップでチェッカーを受けました。
しかし、レース後、今田選手と藤原選手には、「危険なドライブ行為により接触を引き起こした」として、プラス10秒のペナルティが課され、DRAGON選手が今季4勝目を飾るとともに、ランキングでも今田選手を逆転してトップに立ちました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 DNF 1分26秒853(M2) 0(74)
8号車 清水康弘 M3位(総合11位) 1分26秒973(M3) 5(41)
13号車 藤原 誠 M2位(総合10位) 1分27秒092(M4) 7(43)
30号車 DRAGON M1位(総合09位) 1分26秒795(M1) 10(83)

■第14戦決勝(17周)
スタートでジャンプアップした今田選手が、クラスポールスタートの清水選手をかわしますが、勢い余ってウィリアムズコーナーでスピン。直後にいた清水選手を巻き込んでクラッシュしてしまい、2台ともにフロント部にダメージを負って、その場でリタイアとなってしまいました。
これで、DRAGON選手と藤原選手の一騎討ちになりましたが、濡れた路面でのペースは経験に勝るDRAGON選手が藤原選手を圧倒。二度目のセーフティカーランが明けた10周目には早くも5秒の差をつけ、その後も毎ラップ2秒から3秒速いペースで走り、最終的に20秒という大差をつけて、第13戦に続く連勝を飾りました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 DNF 0(74)
8号車 清水康弘 DNF 0(41)
13号車 藤原 誠 M2位(総合 9位) 1分29秒387(M2) 7(50)
30号車 DRAGON M1位(総合 8位) 1分27秒453(M1) 10(93)

■第15戦決勝(18周)
第14戦の接触により車両にダメージを負った今田選手が出走を取り消し、レースは3選手による戦いとなりました。
ホイールスピンをしてしまったDRAGON選手を尻目に、スタートを決めた藤原選手がトップに立ち、序盤をリードしますが、ペースの上回るDRAGON選手が迫り、背後にぴたりとつけプレッシャーをかけ続けました。
8周目にDRAGON選手が仕掛けると、藤原選手も無理に抑えることはせず、ここでトップが交代。以降は、DRAGON選手、藤原選手、清水選手が1秒から2秒の間隔で連なり、その状態のままフィニッシュを迎えました。
この週末3連勝を果たしたDRAGON選手は、今田選手がノーポイントに終わったことで、今田選手に29ポイント差をつけてシリーズをリードすることになり、チャンピオン争いで俄然優位に立ちました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 DNS 0( 74)
8号車 清水康弘 M3位(総合12位) 1分27秒401(M2) 5( 46)
13号車 藤原 誠 M2位(総合11位) 1分27秒524(M3) 7( 57)
30号車 DRAGON M1位(総合10位) 1分27秒053(M1) 10(103)

■4号車ドライバー 今田信宏選手コメント
すべてが噛み合わない週末でした。予選でも速さを見せることができず、レースは2回とも接触で終えてしまいました。決して速さがなかったわけではありませんが、予選で下位に沈んだことで、オーバーテイクしなければという思いから、結果として無理をすることになり、ミスが生じてしまいました。とはいえ、4選手の速さが拮抗するなかでは、ある程度無理をしないと前には出られませんからね。
チャンピオン争いはかなり厳しくなりましたが、ディフェンディングチャンピオンの速さを見せるためにも、まずは鈴鹿で3連勝、できれば残る6戦すべてをポール・トゥ・ウィンで締め括りたいと思います。

■8号車ドライバー 清水康弘選手コメント
今週末は、走り出しから比較的いい手応えを感じていて、予選も僅差でしたが1つPPを獲得できました。ただ、決勝は終盤トップを狙える位置ながら、接触でマシンにダメージを与えてしまったり、PPスタートながら他車に巻き込まれる形でクラッシュしてしまったりと、残念な結果になりました。それでもメカニックたちに懸命にマシンを修復していただき、最後の決勝は完走することができました。
このレースウィークでは、本当に様々な状況を経験出来たので、これをプラスに捉えて自分の今後の速さに繋げていきたいです。次の鈴鹿も久しぶりに走るサーキットになりますが、とにかく勝ちたいです。頑張ります。

■13号車ドライバー 藤原 誠選手コメント
岡山はSUGOと同様に、飛び出したらクラッシュするリスクの高いコースですので、どこまで攻められるのかを探りながら詰めていきました。でも、最後までウィリアムズコーナーが攻めきれなかったことで、アトウッドからバックストレートで近づかれ、ヘアピンで前に出られるというパターンが二度ありました。そこがこの週末の大きな課題でした。
前回の富士は、スリップストリームを使って前に出るチャンスの多いコースでしたので、気持ちに余裕を持って臨むことができましたが、岡山のようなコースでは、なんとか付いていっているという状態で、まだまだ力不足を感じています。

■30号車ドライバー DRAGON選手コメント
4人の実力がかなり近づいていて、決勝でぶっちぎって勝つのはかなり難しい状況になっています。そのなかでの3連勝ですから、素直に嬉しいですね。
特に3レース目は、この週末で唯一スタートをミスして出遅れましたが、後ろから抜くポイントをじっくり見極めて、プランどおりの展開に持ち込むことができました。
チャンピオンシップポイントは、今田選手のノーポイントでかなりリードすることになりましたが、まだ残り6戦ありますし、今回と逆のことが起きる可能性もあるわけですので、気を抜かずにいきたいと思います。



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