2022 SFL第1,2,3戦富士(4/9-10)レポート

Super Formula Lights

木村選手、デビューレースと第3戦で2位表彰台に上がる

B-Max Racing Team(SFLチーム代表 組田龍司)は、4月9~10日、富士スピードウェイで行われた全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第1~3戦に参戦し、木村選手がデビューレースとなった第1戦と第3戦で2位表彰台に上り、着実にポイントを獲得するとともに、次戦に向け確かな手応えを掴むことができました。
菅波選手は、練習走行の好調さとは裏腹に苦しい週末となりましたが、徐々に調子を上げ第3戦では次戦に繋がる走りを見せました。

■第1,2戦予選(4月9日(土)午前8時50分~9時20分)
レースウィークの木曜日から始まった練習走行では、木村選手、菅波選手ともに好調さを維持しており、その流れで予選に臨みました。しかし、この日の変わりやすいコースコンディションにマシンの性格が変わってしまい、菅波選手は練習走行からは考えられない8位というポジションに低迷してしまいました。
木村選手は、最初のアタックでは上位に食い込みましたが、最終的にタイムが伸びず5位と、やはり不本意な位置で予選を終えることになりました。
第2戦のグリッドを決めるセカンドベストタイムも、木村選手6位、菅波選手8位となり、両レースとも苦しい位置からのスタートになりました。

ドライバー 予選ベストタイム(順位) 予選セカンドベスト(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 1分33秒401(5/13) 1分33秒529(6/13) 0(0)
50号車 菅波冬悟 1分33秒834(8/13) 1分33秒990(8/13) 0(0)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:16度、路面温度:25度

■第1戦決勝(4月9日(土)午後0時30分~21周)
快晴ではあるもののやや風が強いコンディションとなった決勝。予選2位の小高選手がエンジン交換のためグリッド降格。木村選手4番グリッド、菅波選手8番グリッドからのスタートとなりました。
スタート後の混乱をくぐり抜け、1周目、木村選手は2位、菅波選手は7位でコントロールラインに戻ってくると、その後も2人は果敢に攻め、木村選手はトップの野中選手を1秒差で追い続けました。終盤にはトップに詰め寄る場面もありましたが、背後に迫るまでには至らず。それでも初レースで2位表彰台と上々のデビューを飾りました。
菅波選手は前車の脱落で2周目6位、7周目5位に上がりましたが、上位グループには少しずつ引き離され、そのままフィニッシュを迎えました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 2位 1分34秒753(2/13) 7(7)
50号車 菅波冬悟 5位 1分35秒097(6/13) 2(2)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:20度、路面温度:35度

■第2戦決勝(4月10日(日)午前9時25分~15周)
前日に比べ風もなく穏やかな天候となった日曜日。菅波選手はタイヤを傷めてマーキングされたタイヤ以外を使用することになったため5グリッド降格の12番手スタート。木村選手とともにシーズンを見据え着実に走り切ることを決めて決勝に臨みました。
木村選手はスタートでのポジションアップは叶わず、グリッド順位の6位をキープ。前後の間隔も開いてしまったため、ポイント獲得を目指して走り続けました。一方、菅波選手は終盤まで先行する平木玲次選手を攻め続けましたが、抜くまでには至らず9位でチェッカーを受けました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 6位 1分34秒772(7/13) 1(8)
50号車 菅波冬悟 9位 1分34秒848(8/13) 0(2)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:19度、路面温度:29度

■第3戦決勝(4月10日(日)午後4時35分~15周)
第1戦の決勝結果がグリッドになり、2番手、5番手からスタートした木村選手、菅波選手でしたが、狙っていたスタートでは順位を上げることはできませんでした。木村選手はトップの平良選手を追い続けますが、その差は少しずつ開いていき2位フィニッシュ。この週末2度目の表彰台に上がりました。
菅波選手は4周目の1コーナーで小高選手をアウトからかわし4位にポジションアップ。その後もトップグループに迫る走りを見せ4位でフィニッシュしました。しかし、レース後に走路外走行の裁定が下り5秒加算で正式結果は5位となりました。

ドライバー 決勝順位 レース中のベストタイム(順位) Point(累計)
1号車 木村偉織 2位 1分34秒550(5/13) 7(15)
50号車 菅波冬悟 5位 1分34秒488(4/13) 2( 4)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:21度、路面温度:33度

■チーム監督 高木真一コメント
予選は風の影響もありましたが、好調だった練習走行に比べ良いパフォーマンスを示すことができませんでした。エアロカーでは前車を抜くのは難しく、菅波選手は予選順位が結果に響いてしまいました。それでも第3戦は上手くまとめたと思います。木村選手は、デビュー大会での2位2回は評価できると思います。予選順位のバラつきをなくすことや、スタートを決めて前に出ることが今後の課題だと思います。次戦に向けては、2人ともに予選の一発の速さを示すこと、決勝でファステストラップを獲るタイミングを見極めることを意識して臨んでほしいと思います。

■チーフエンジニア 宮田雅史コメント
50号車は練習走行までは良かったのですが、予選になって迷走してしまった感じです。第3戦の決勝は持ち直すことができたのは良かったと思います。木村選手は、本人もフルプッシュし続けたと言っていましたが、フィジカル面でも問題はなかったようですし、頑張っていたと思います。第3戦は平良選手の速さが目立ちましたが、うちがあまり良くなかったということもありました。次戦の鈴鹿は気温も上がると思いますし、体力的にも厳しいコースですので、ドライバーに頑張ってもらう部分が多くなると思います。

■1号車ドライバー 木村偉織選手コメント
合同テストではフィジカル面の問題などもありましたが、この開幕大会に向けてやれることはすべてやってきました。予選から決して流れが良いとは言えませんでしたが、その状況において3戦中2戦表彰台は、良い滑り出しだと思います。ただ、優勝を狙うために足りない部分も見えてきました。次戦鈴鹿はチームも得意としていますし、自分も好きなコースです。時間は少ないですが、課題を改善してレベルアップし、優勝を飾りたいと思います。

■50号車ドライバー 菅波冬悟選手コメント
良い状態と悪い状態を両方経験できた週末でした。練習走行までは自分の思うようにクルマを動かせていましたが、予選になった途端に今まで経験したことのないような状態になってしまいました。そこから改善を試みて、1レースずつ状態は良くなっていきましたが、納得できるレベルにはなっていませんし、何が悪かったのか、もっとやるべきことはあったのではないかと考えると、もやもやした気持ちは残っています。鈴鹿に向けては、今回の悪いイメージを引きずらないように、頭を切り替えて臨みたいと思います。

マスタークラス

■第1,2戦予選
出走3台とやや寂しいマスタークラスですが、植田選手を含め現在の日本を代表するジェントルマンドライバーの戦いは予選から白熱。特に今田選手、DRAGON選手は予選からガチンコ勝負をしてクラスポールポジションを分け合いました。

ドライバー 予選ベストタイム(順位) 予選セカンドベスト(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 1分35秒576(M1) 1分35秒828(M2) 1(1)
30号車 DRAGON 1分35秒705(M2) 1分35秒730(M1) 1(1)

■第1戦決勝
スタートで12番グリッドのDRAGON選手が11番グリッドの今田選手を抜くと、1周目から両者による激しい攻防が繰り広げられました。7周目に今田選手が前に出ると今度はDRAGON選手が後ろから攻め立て、9周目1コーナーでインを刺しましたが、アウト側から切り込んだ今田選手と接触。同士討ちとなってしまいました。ここでマシンにダメージを負った両者はピットに戻ってリタイアとなりました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 リタイア 1分37秒963(M2) 0(1)
30号車 DRAGON リタイア 1分37秒747(M1) 0+1(2)

■第2戦決勝
第1戦でフロアを強打してしまった今田選手は前日に深夜までかかって急きょモノコック交換。このため決勝は最後尾スタートとなりました。それでもレース折り返しの8周目にはDRAGON選手の背後に迫り、ここから2人による攻防が始まりました。両者のクラストップを巡る戦いはチェッカーまで続きましたが、レースに関しては一日の長のあるDRAGON選手が今田選手を抑え切り、今季初のクラスウィンを果たしました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M2位(総合12位) 1分35秒970(M1) 7+1( 9)
30号車 DRAGON M1位(総合11位) 1分36秒116(M2)   10(12)

■第3戦決勝
グリッドが後ろだった今田選手がオープニングラップにDRAGON選手をかわして前に出るものの引き離すことはできず、6周目にDRAGON選手が再逆転。今田選手も必死に食い下がり、最終ラップには並走して1コーナーに飛び込みました。しかし、ここでも経験の差を見せたDRAGON選手が先行。マスタークラス連勝を飾りました。

ドライバー 決勝順位 ベストタイム(順位) Point(累計)
4号車 今田信宏 M2位(総合12位) 1分36秒581(M1) 7+1(17)
30号車 DRAGON M1位(総合11位) 1分36秒596(M2) 10(22)

■4号車ドライバー 今田信宏選手コメント
去年はDRAGON選手とクラスが違っていましたが、今年は同じクラスですので意識をしつつ勝負を楽しんでいます。今は競り合いのなかでの抑え方や抜かし方を勉強しているところですが、今回は百戦錬磨のDRAGON選手に好きなようにやられてしまいました。富士は競り合いで経験の差が出やすいコースですが、次戦の鈴鹿は簡単には抜けないコースですので、予選で競り勝って抑えきりたいと思います。

■30号車ドライバー DRAGON選手コメント
今回は、合同テストで痛めたモノコックを交換して臨みましたので、クルマがきちんと走るかを確認するところから始めました。予選まではセッティングでかなり迷いが生じてしまいましたが、決勝は少しずつ改善できました。目標の一つである若い選手に食らいつくという点では、路面の変化に対応しきれずに差を付けられてしまいましたが、今田選手との勝負では第2戦、第3戦でクリーンなファイトができ、両レースとも勝つことができ満足しています。鈴鹿も負けないように頑張ります。




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