2023 SF第4戦オートポリス(5/20-21)レポート

Super Formula

今季初のQ2進出もポイントには繋がらず

B-Max Racing Team(SFチーム代表 宮田雅史)は、5月20~21日、オートポリスで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦に参戦し、ハイマン選手は17位完走、松下選手はトラブルによりリタイアという結果でした。
予選では、松下選手が今シーズン初めてQ2に進出、シングルグリッドからのスタートでしたが、ペースが上がらずに残り6周でピットに入りレースを終えました。
次戦の舞台、スポーツランドSUGOは、チームとして2019年に初の表彰台、2020年に初のポールポジションを獲得した験のいいサーキットです。今季の悪い流れを断ち切るべく、万全の準備で臨みます。

■予選(5月20日(土)午後2時30分~)
午前中のフリー走行では、松下選手が9位と復調の兆しが見え、期待を持って予選Q1に臨みました。Aグループに出走したハイマン選手は、他の選手に先駆けてアタックを試み、1分28秒台に乗せますが結果は10位。Bグループでは各選手がアタックに入った周に大津選手が100Rでクラッシュ。赤旗中断となり、残り3分での攻防となりましたが、松下選手は1周のウォームアップ後に果敢に攻め1分27秒572で今季初めてQ1を突破しました。
続くQ2では、松下選手はミスなくまとめ1分26秒852で12台中9位。シングルグリッドを獲得しました。

ドライバー セッション タイム/順位
50号車 松下信治 予選 Q1(順位) 1分27秒572( 4/11)
Q2(順位) 1分26秒852( 9/12)
総合順位 9位
50号車 ラウル・ハイマン 予選 Q1(順位) 1分28秒925(10/11)
Q2(順位) —————-
総合順位 19位
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:23度、路面温度:40度

■決勝(5月21日(日)午後3時~41周)
快晴となり5月とは思えない日射しが照りつけるなか、決勝のスタートを迎えました。
松下選手、ハイマン選手ともにスタートではやや順位を落として、12位、20位で1周目のコントロールラインを通過。オーバーテイクポイントの少ないコースなだけに、周回を重ねるたびに縦に長い展開となり、タイヤ交換のピットストップまでほとんど順位変動はなくレースは進みました。
規定で許される10周を過ぎるとタイヤ交換のためのピットインが始まりますが、チームはオーソドックスな作戦を取り、17周目に松下選手、19周目にハイマン選手をピットに入れると、ミスなくコースに送り出しました。ニュータイヤに交換したハイマン選手は、クリアラップとなった21周目にこの時点のファステストとなる1分30秒681をマーク。
一方、序盤からペースの上がらない松下選手はタイヤ交換後も1分32秒台に留まり、徐々にエンジンが吹けない症状が顕著になっていきました。松下選手は無線で症状を訴えつつ我慢の走りを続けますが、トップスピードも明らかに遅くなり、走行を続けることは難しいと判断し、35周目にピットに入ってレースを終えました。
ハイマン選手は17位というリザルトでしたが、レースペースは悪くはなく、予選で上位につけることができれば、と思わせる内容でした。

ドライバー セッション タイム/順位
50号車 松下信治 決勝 順位 DNF
ベストタイム 1分32秒660(22/22)
51号車 ラウル・ハイマン 決勝 順位 17位
ベストタイム 1分30秒681( 3/22)
  • 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:26度、路面温度:46度

■チーム監督 本山 哲コメント
50号車のトラブルの原因はまだ分かりませんが燃圧が低下したような感じです。中盤からスピードが出なくなっていき、その症状が徐々に悪化していたので、クルマやエンジンを守るためにもリタイアという決断をしました。
この週末、ノブはこれまでのなかでは良い流れでしたし、Q2もタイミング次第ではもう少し上にいける感じもありました。ようやく光が見えたように思います。
ラウルに関しては、初めてのコースで苦労はしていましたが、決勝後半のラップはトップ6以内の速さでした。本人も気持ち良く走れたようですし、今後に期待を抱かせる内容でした。ただ、今の実力が拮抗するSFでは、土曜のフリー走行から上位につけ、まとめていかないと上位入賞は難しいので、チームとして少しでもそれに近づけるよう頑張ります。

■50号車チーフエンジニア 宮田雅史コメント
予選はQ2に残れましたし、とりあえずファーストステップは踏み出せたという感じです。決勝は始めからトラブルが出ていたように思います。恐らく燃料系だと思いますが、最初からセクター1が遅く、中盤以降はトップスピードが他に比べて10kmも遅くなっていました。セッティングに関しても、この暑さにいまひとつ合っていなかったようです。
次のSUGOも暑くなると思いますし、今回同様に予選で前にいかないと勝負になりませんので、まずは予選できちんとQ2に進出できるようにしたいと思います。

■51号車チーフエンジニア ティム・ネフ コメント
予選で少し苦戦しましたので、レースに向けてクルマに少し変更を加えました。これは非常に良い方向にいきました。決勝では、前を走る何台かをアンダーカットできるように、もっと早くピットインさせるべきでした。その判断ミスはとても悔やまれます。リザルトには表れていませんが、今回のレースタイムは本当に良かったです。
次のレースに向けては、予選で上位に行くことが課題ですので、もう少しクルマを良くしないといけません。あとはやはりラウルが経験を積むことが必要ですね。

■50号車ドライバー 松下信治選手コメント
トラブルの原因はまだ分かりませんが、途中から症状が悪化してしまってリタイアに終わりました。ただ、チームメイトのラウルのペースは悪くなかったようなので、それはチームとして次戦に向けての収穫と思います。
ポイント圏内からのスタートは今シーズン初めてだったので、それを結果に結びつけられなくて本当に悔しいです。今はポイントが取れなくてかなり落ち込んでいますが、もう一度、気持ちをリセットして頑張るしかないと思います。シーズン前はもう少しやれると思っていましたが、これが現実です。次のSUGOは好きなコースですし、まずは予選で今回の9位以上のリザルトを残したいと思います。

■51号車ドライバー ラウル・ハイマン選手コメント
とても収穫の多いレースでした。特にレースペースに関しては一歩前進したと思います。タイヤ交換後、その時点でのファステストラップを記録し、それは最終的に全体で3番目に速いレースラップでした。安定したペースもまずまずでした。重要なのは、その要因を理解し、それを維持し、そこから進歩することです。
戦略の観点から言えば、もっと早くピットインしてアンダーカットを狙っていたら、ポイント獲得が可能だったかもしれません。私たちは今回のレースから学び、今後それを念頭に置いて取り組みます。今回、クルマのセットアップに関して進歩がありましたので、それをさらに進める必要があります。次回のSUGO大会が楽しみです。


関連記事

特集記事

TOP
CLOSE