手探り状態だった開幕大会、鈴鹿戦での挽回を期す
B-Max Racing Team(SFチーム代表 宮田雅史)は、4月8~9日、富士スピードウェイで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第1、2戦に参戦し、苦戦をしながらも2台揃って両レースとも完走を果たしました。SF23の初走行となった富士で、思うようにクルマを仕上げることができず、ポイント獲得はなりませんでしたが、2週間後の鈴鹿戦は今回得られたデータを解析して臨みます。
■第1戦(4月8日(土)決勝:午後2時15分~41周)
金曜日のフリー走行が悪天候で中止となり、予選はノックアウト方式から45分間の計時方式に変更になりました。松下選手は思うようにタイムが伸びず、富士SW初体験のハイマン選手は健闘したものの、走路外走行の判定でベストタイムが抹消となるなど、2台ともに後方グリッドからのスタートとなりました。
決勝は、ハイマン選手を含む4台がエンジンストール。接触も相次ぎセーフティカー(SC)が導入される波乱の幕開けとなりました。松下選手は我慢の走りを続け、10位まで順位を上げた16周目にピットに滑り込みますが、タイヤ交換作業でミスが出てしまいポイントを逃しました。ハイマン選手はスタートで躓いたものの堅実な走りでチェッカーを受けました。
ドライバー | セッション | タイム/順位 | ||
50号車 | 松下 信治 | 予選 | 1分23秒648(19/22) | |
決勝 | 順位 | 13位 | ||
ベストタイム | 1分25秒490(20/20) | |||
51号車 | ラウル・ハイマン | 予選 | 1分24秒411(22/22) | |
決勝 | 順位 | 16位 | ||
ベストタイム | 1分25秒443(18/20) |
- 予選 天候:曇り、コース:ドライ、気温:14度、路面温度:16度
- 決勝 天候:曇り、コース:ドライ、気温:18度、路面温度:29度
■第2戦(4月9日(日)決勝:午後2時30分~41周)
今季初のノックアウト方式の予選に臨んだ2人でしたが、A組のハイマン選手は1回のアタックでマークしたタイムが走路外走行の判定で抹消。松下選手はクルマをねじ伏せながらアタックをしましたが、B組7位でQ2進出はなりませんでした。
決勝は、序盤にSCランがあり、交換の許される10周を過ぎたタイミングで2台が続けてピットイン。その後、松下選手は一時9位までポジションを上げますが、常に前後にライバルのいるなかで、コントロールしづらいクルマと悪戦苦闘し続けました。結局、徐々にポジションを落としてしまい12位フィニッシュ。ハイマン選手は、またしてもエンジンストールをしてしまい出遅れますが、安定したタイムを刻み18位でレースを終えました。
ハイマン選手のエンジンストールは、操作ミスではなく機械的な問題があった可能性が高く、レース後に調べることにしました。
ドライバー | セッション | タイム/順位 | ||
50号車 | 松下信治 | 予選 | Q1(順位) | 1分23秒181( 7/11) |
Q2(順位) | —————-(13/22) | |||
決勝 | 順位 | 12位 | ||
ベストタイム | 1分24秒953(16/22) | |||
50号車 | ラウル・ハイマン | 予選 | Q1(順位) | 1分38秒468(11/11) |
Q2(順位) | —————-(22/22) | |||
決勝 | 順位 | 18位 | ||
ベストタイム | 1分25秒103(20/22) |
- 予選 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:13度、路面温度:21度
- 決勝 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:19度、路面温度:34度
■チーム監督 本山 哲コメント
新体制のもと開幕大会を終えましたが、チームとしてはいくつか課題が見つかったレースウィークでした。日本、SF、富士と、すべてで初レースとなったラウルにとっては良い週末とはなりませんでした。しかしすべてを経験したことで、次戦からはラウルが持つスピードを発揮してくれると思います。ノブは残念ながらポイント圏内には届きませんでしたが、現状のなかでベストリザルトを目指し、良い走りをしてくれました。
次戦までにクルマのパフォーマンスアップとチーム全体の流れを良くし、ラウルはポイント圏内、ノブは表彰台以上をターゲットとして鈴鹿戦に臨みたいと思います。
■50号車チーフエンジニア 宮田雅史コメント
SF23で初めての富士、しかも金曜日の走行がキャンセルになってしまったので、時間のないなかで終始手探り状態という感じでした。色々な変更を試みましたが、最後はセッティングの方向が見えたように思います。同時に次に生かせる課題も多く見つかりました。鈴鹿ではコンディションも変わりますので、持ち帰ってしっかり見直したいと思います。
■51号車チーフエンジニア ティム・ネフ コメント
苦労した週末でしたが、時間が経つにつれて徐々に前進しています。この週末の大きな課題はスタートでのエンジンストールでした。恐らくメカニカルな問題と思いますが、これは早急に解決しなければなりません。鈴鹿に向けての課題は予選です。次戦までの時間は少ないですが、その対策を考えたいと思います。
■50号車ドライバー 松下信治選手コメント
結果には満足していませんが、確実に進歩はしています。今週末はテストもなくデータもまったくない状態からでしたので、そう考えるとポジティブな部分は多いと感じています。次は良い思い出のある鈴鹿ですので、コンディションにかかわらずしっかり上位を走れるよう、チームとともにデータを解析して臨みたいと思います。
■51号車ドライバー ラウル・ハイマン選手コメント
練習走行がキャンセルされてしまったことは残念でした。富士におけるベースセッティングがない状態からだったので大変でした。でも、2 レースともに完走したことで、経験レベルを上げることができ、次のレースに備えることができました。
スタートのエンジンストールは、手順どおりに実行したにもかかわらず2 回とも起きてしまいました。これは私がコントロールできるものではないと確認されましたので、これから原因を調べる必要があります。この週末、我々にはいくつかの重要な改善点があることも分かりました。次戦に向けそれらを改善すべく努力します。