DRAGON選手、今田選手を僅差で退けチャンピオンに輝く
B-Max Racing Team(チーム総代表 組田龍司)は、12月7〜8日に鈴鹿サーキットで行われたFIA-F4選手権(インディペンデントクラス)第7、8戦(延期分)に参戦し、DRAGON選手が、最終レースまでもつれた今田信宏選手とのタイトル争いを僅差で制し、初のチャンピオンに輝きました。
二人によるタイトル争いは、23.5ポイント差とDRAGON選手圧倒的優位のまま最終大会決戦となりました。どちらにとっても気が抜けない状況で、それぞれのスタッフも緊張の面持ちでレースウィークのサーキットに入りました。
■第7、8戦予選(12月7日(土)午後8時35分〜8時55分)
開始早々にスピンをした車両があり、中断後に残り17分で再開されました。DRAGON、今田選手は先陣を切って周回を重ね、十分なウォームアップの後アタックに入りました。
2分10秒が上位グリッド進出のボーダーラインとなるなか、DRAGON選手が最初に9秒台をマークしたのを皮切りに、ライバル勢も次々に9秒台に入れました。ライバル勢が速く、二人はやや伸びを欠いて今田選手が3位、DRAGON選手は5位で予選を終えました。
セカンドベストで決まる第8戦も、二人のフロントロー確保はならず3位と4位。両レースとも今田選手がDRAGON選手の前からスタートすることになりました。
ドライバー | 第7戦予選Bestタイム(順位) | 第8戦予選2ndタイム(順位) | |
30号車 | DRAGON | 2分9秒942( 5/17) | 2分9秒981( 4/17) |
44号車 | 今田 信宏 | 2分9秒535( 3/17) | 2分9秒802( 3/17) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:9℃、路面温度:10℃
■第7戦決勝(12月7日(土)午後0時45分〜11周)
ポールスタートの鳥羽選手が好スタートを決め、チャンピオンクラスの車両を挟んで、今⽥選手、ALEX選手、赤松選手、DRAGON選手が続く展開となりました。
4周目、DRAGON選手が、「前の車が動いたのでつい反応してしまった。完全に自分のミス」と、130Rの進入でアウト側に片輪を落としてコースを飛び出し、グラベルでストップ。セーフティカー(SC)ランとなりました。終盤にも二度目のSCランがあり、リスタート後に今田選手がトップ鳥羽選手に迫りましたが、逆転はならず2位でフィニッシュしました。
ランキングトップのDRAGONがノーポイントに終わったことで、2位のポイントを加えた今田選手との差は一気に縮まり、僅か5.5ポイント。タイトル決定は最終戦に持ち越されることになりました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | |
30号車 | DRAGON | DNF | 2分11秒947( 7/17) | 0(187) |
44号車 | 今田 信宏 | 2位 | 2分11秒374( 4/17) | 18(181.5) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:14℃、路面温度:19℃
■第8戦決勝(12月8日(日)午前8時15分〜11周)
ポールスタートのALEX選手がエンジンストールで遅れ、鳥羽、今⽥、DRAGON選手がトップグループを形成してレースは進みました。
このままの順位でフィニッシュすれば、僅かの差でタイトルはDRAGON選手が手にすることになり、今田選手が鳥羽選手を抜いて優勝すれば逆転でチャンピオンに輝くという緊迫した展開となりました。
二度のSCランがあったことで、順位を入れ替えるチャンスは最後の3周となりましたが、ここでトップの鳥羽選手に今田選手が急接近。その差は最終ラップに入る時点で0.6秒となりますが、鳥羽選手は隙を見せることなく、今田選手を従えてフィニッシュ。
3位に入り、薄氷を踏む思いでチャンピオンに輝いたDRAGON選手と今田選手とのポイント差は僅か2.5ポイント。ぎりぎり逃げ切ったとDRAGON選手は、笑顔とともに安堵の表情を浮かべました。
ドライバー | 決勝順位 | ベストタイム(順位) | Point(累計) | Rank | |
30号車 | DRAGON | 3位 | 2分10秒407( 3/17) | 15(202) | 1 |
44号車 | 今田 信宏 | 2位 | 2分09秒851( 1/17) | 18(199.5) | 2 |
- 天候:曇り、コース:ドライ、気温:8℃、路面温度:9℃
今シーズン、最後まで互角の勝負を繰り広げたDRAGON選手と今田選手の戦績は、5勝対4勝、表彰台8回対10回、PP3回対4回と、数字の上でも拮抗した結果となりました。
■30号車ドライバー DRAGON選手コメント
今大会に入る前は、23.5ポイント差でしたので、リタイアさえしなければ逆転はないだろうと思っていましたが、まさか自分のミスで窮地に追い込まれるとは思いもしませんでした。
ただ、第7戦のコースアウトでタイヤ1本は完全に使用できない状態になりましたが、残りは何とか使えて、ペナルティを課せられずに済んだことは不幸中の幸いでした。
最終レースは開き直って臨みましたが、とにかく今田選手の後ろについて、チャンスがあれば仕掛けようと考えていました。
正直なところ、追われる立場はかなり苦しかったですね。これまでプレッシャーを感じることはなかったのですが、今回はさすがに感じました。
今年からインディペンデントクラスは、正式にJAFの選手権となりましたが、その初年度でぜひタイトルを取りたいと思っていました。目標達成のために、カートでの練習も重ねましたので、目標を達成できて嬉しいです。
■44号車ドライバー 今田信宏選手コメント
最終レースは鳥羽選手も抑えどころは分かっていますので、仕掛けるチャンスはなかったですね。でも、両レースともにフルプッシュした結果ですので、悔いはありません。
今年はSFライツでもDRAGON選手がタイトルを取りましたが、カートでのトレーニングを積んだりして、去年に比べて確実に強くなっていると、一番近くで見ていて感じました。以前なら引き離せた場面もしっかりついてきますし、逆に前にいるときは最後までペースが落ちずに、捕らえることができないということが何度もありました。
今シーズン、このような良い環境で、DRAGON選手という良いライバルとバチバチの勝負ができ、本当に充実した楽しいシーズンでした。