苦しんだシーズンをポイント獲得で締めくくる
B-Max Racing Team(SFチーム代表 宮田雅史)は、10月28~29日、鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権第8、9戦「JAF鈴鹿グランプリ」に参戦し、松下選手が最終戦で最低限の目標としていたポイントを獲得。苦しかった2023シーズンを締めくくりました。
■第8戦予選(10月28日(土)午前9時30分〜)
前戦で多重クラッシュに巻き込まれた松下選手の車両は新しいモノコックとなり、これが走りにどう影響するのか、期待と不安のなか予選に臨みました。松下選手は予選Q1を6位で通過。Q2はアタックラップにコースアウトした車両があり中断となったため、満足なアタックができずに10位でした。ハイマン選手は19位で予選を終えました。
ドライバー | セッション | タイム/順位 | ||
50号車 | 松下信治 | 予選 | Q1(順位) | 1分38秒351( 6/11) |
Q2(順位) | 1分38秒840(10/12) | |||
総合順位 | 10位 | |||
50号車 | ラウル・ハイマン | 予選 | Q1(順位) | 1分39秒802(10/11) |
Q2(順位) | —————- | |||
総合順位 | 19位 |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:21度、路面温度:23度
■第8戦決勝(10月28日(土)午後2時30分~3周)
松下選手がスタートの混乱のなかで他車と軽く接触して遅れ、ハイマン選手も順位を落としてコントロールラインに戻ってきました。しかし、序盤の混戦のなかでまだ順位は落ち着いておらず、巻き返しのチャンスは十分残されていました。
ところが、4周目の130Rで競り合っていた笹原選手と大津選手が接触、クラッシュするという大きなアクシデントが発生。レースは一旦中断となりますが、コース設備の修復が難しいとの判断で、3周終了時点で成立となりました。
ドライバー | セッション | タイム/順位 | ||
50号車 | 松下信治 | 決勝 | 順位 | 13位 |
ベストタイム | 1分43秒148(12/22) | |||
51号車 | ラウル・ハイマン | 決勝 | 順位 | 21位 |
ベストタイム | 1分43秒843(20/22) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:23度、路面温度:27度
■第9戦予選(10月29日(日)午前8時50分〜)
松下選手は、予選で第8戦を上回るパフォーマンスを発揮。Q1を3位で通過すると、Q2でも6位と健闘し、今季最高位のグリッドを獲得しました。ハイマン選手は第8戦と同じく19位でした。
ドライバー | セッション | タイム/順位 | ||
50号車 | 松下信治 | 予選 | Q1(順位) | 1分37秒700( 3/10) |
Q2(順位) | 1分36秒988( 6/12) | |||
総合順位 | 6位 | |||
50号車 | ラウル・ハイマン | 予選 | Q1(順位) | 1分38秒683(10/10) |
Q2(順位) | —————- | |||
総合順位 | 19位 |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:19度、路面温度:21度
■第9戦決勝(10月29日(日)午後2時30分~31周)
松下選手は、スタートを決めて5位にポジションアップ。さらに上位を狙って規定で許される10周終了時にタイヤ交換を行いました。ハイマン選手も次の周にピットインしますが、運悪く手前のピットの車両が発進時に停止し、これに進路を阻まれタイムロスしてしまいました。
タイヤ交換後、プッシュし続けた松下選手は、上位陣がすべてタイヤ交換を終えた24周目には4位を走行。しかし、この頃からタイヤがグリップを失いはじめ徐々にペースが落ちてしまいます。そして、終盤にタイヤ交換をして明らかにペースが速い野尻選手、坪井選手を抑えきれず、最終ラップには平川選手にもかわされ7位でフィニッシュ。終盤は苦しいレースでしたが、今季初のポイントを獲得しました。ハイマン選手は、コンスタントに走行を続け18位でチェッカーを受けました。
ドライバー | セッション | タイム/順位 | ||
50号車 | 松下信治 | 決勝 | 順位 | 7位 |
ベストタイム | 1分40秒698( 4/20) | |||
51号車 | ラウル・ハイマン | 決勝 | 順位 | 18位 |
ベストタイム | 1分43秒024(20/20) |
- 天候:晴れ、コース:ドライ、気温:23度、路面温度:29度
■チーム監督 本山 哲コメント
最終戦でようやく良いレースができました。予選からきちんと戦えていましたし、決勝では正直トップ3は見えませんでしたが、野尻選手と渡り合うなど手応えを感じました。チームにとっても大きな収穫のあったレースでした。今シーズンに関しては、物足りない内容が多かったですが、最後にポイントが取れて頑張ってくれたスタッフも報われたと思います。来シーズンは今回のようなレースを積み重ね、さらに上を目指していきたいと思います。今シーズンの応援ありがとうございました。
■50号車チーフエンジニア 宮田雅史コメント
最後にやっとまともなレースができたという感じです。好位置からのスタートでしたので、リスクを承知で表彰台を狙ってアンダーカットを試みました。終盤タイムが落ちるのは織り込み済みでしたが、途中ペースの遅いクルマに引っかかって2〜3秒ロスしてしまったのは勿体なかったですね。あれがなければもう1つ上に行けたかもしれません。
今シーズンは不運なアクシデントもありましたが、全体的に流れが悪かったですね。でも、最後は手応えを感じて終わることができて良かったです。12月の合同テストから来シーズンに向けて動き出しますので、また新たな気持で臨みたいと思います。
■51号車チーフエンジニア ティム・ネフ コメント
最後までラウル選手が満足できるクルマに仕上げられなかったことは心残りです。彼が自信を持って走れるようにするため、やるべきことはまだ残されていたように思います。私個人としては、苦労もありましたが、日本で新たな経験を積むことができ、またチームと仕事ができて楽しいシーズンでした。
■50号車ドライバー 松下信治選手コメント
今大会から車両が新しくなり、その効果が目に見えて発揮されたように思います。昨日の第8戦は赤旗中断で戦わずに終わってしまいましたが、最終戦は予選から良い戦いができました。タラレバですが、決勝も作戦がはまっていればもっと良い結果が得られたかもしれません。でも、きちんとレースをしたうえでの7位という結果には満足しています。辛いことが多かったシーズンでしたが、最後にポイントが取れて本当に良かったと思います。応援ありがとうございました。
■51号車ドライバー ラウル・ハイマン選手コメント
最終レースはタフなレースになりました。フリー走行でメカニカルな問題が発生し、マシンを良い方向に持っていくことが困難でした。ポジティブな結果で終わることができれば良かったのですが、そうはなりませんでした。マシンが抱える問題はシーズンを通して続き、パフォーマンスを発揮する機会はありませんでした。日本でのシーズンはとても難しいものでしたが、思い出に残るものになりました。応援してくれた皆さんに感謝します。